名古屋大学 生物機能開発利用研究センター

研究内容

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芦苅基行
高次生体分子機能研究分野(芦苅研究室)では、イネの成長性、収量性や環境ストレス耐性等、様々な有用農業形質について研究しています。研究は遺伝子レベルから圃場レベルまで多岐に渡っており、学生さん、博士研究員、技術補佐員の方々と一緒に様々な手法を用いて一所懸命かつ楽しく進めています。
また研究成果を用いてアジアやアフリカのイネを改良する育種事業も進めています。

突然変異体を用いた研究

ある生命現象を知りたいときに、突然変異体を利用した研究は大変有効です。それは、普通のイネと突然変異体を比較し、両者の違いを手がかりに現象を紐解いていくことが出来るからです。私達はイネの成長性、コメの収量性、病気や環境ストレス耐性について研究していますが、例えば、草丈の小さい突然変異体をまず見つけます。この突然変異体は成長に関わる遺伝子に異常を来した結果です。普通のイネと突然変異体のDNAを比較して、突塩変異を起こした遺伝子を突き止めます。この遺伝子はイネの成長に関わる遺伝子と言えます。遺伝子がイネの成長過程のどの器官でどのタイミングで機能しているかを調べたり、突然変異体の形質を実際の圃場で詳しく調査することで興味ある生命現象を明らかにしたいと考えています。

イネの多様性を利用した研究

イネの野生種はアフリカ、アジア、オーストラリア、南米等に20数種存在し、それぞれの地域に適応しています。これらの野生種は、種々の環境に適応するために特殊な形質を獲得し、それぞれの独自の形態や機能を保持しており、これらの形質には栽培イネでは見られない大変ユニークなものが多数存在します。我々は、このイネの野生種の自然変異(Natural variation)を利用し、植物の環境適応や生存戦略の解明に取り組んでいます。
我々が口にするコメは栽培イネの収穫産物ですが、この栽培イネはもともと野生種から1万年の歳月をかけ、人類が選抜を繰り返し、栽培・利用しやすいものに改変してきたものです。この栽培化過程で、普通のイネは既に多くの遺伝子が変異している可能性があります。そこで、野生のイネと普通のイネを比較して、野生イネが保持している有用農業形質遺伝子を同定したり、遺伝子機能を明らかにしています。

育種への応用

人口の爆発や、地球温暖化、過剰開発、エネルギー問題が深刻化するなか、食糧不足はますます深刻化しています。これを回避するためには、重要農業形質を支配する遺伝子や環境適応性の遺伝子を特定し、収量の増加や不良環境地での栽培化を試みるなどの育種が望まれます。上記の研究は、科学的な成果に留まらず、育種的な応用も期待できます。
そこで我々はこれらの研究成果を育種に応用する試みも積極的に行っています。具体的には、アジアやアフリカのイネを改良し、より収量が高いイネ、様々なストレスに強いイネを育種しています。将来、我々が作出したイネがアジアのアフリカの現地で栽培され、人々の生活を少しでも豊かに出来ればと考えております。

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